14. アウトウエル取り付け工程

アウトウエルはプランクを挟みインネルからネジ留めするため、先ずインネルにフレームとプランクを貫通させる下穴を、フレーム毎に角度を出しながらボール盤で正確に開けます。これは大変手間が掛かりますが根気良くやりました。アウトウエルは昨日の角材からご覧のように丸面をルータで加工しました。上になる方が1/2"(12.7mm)半径で下側が 1/4"(6.4mm)半径です。アウトウエルの取り付けは、来週に持ち越しとなりました。

アウトウエルとその下のラビングストレークの取付けを11月15日、16日の土・日2日掛かりでやることになってしまいました。アウトウエルの取り付けは、インネルを内側から取り付けるネジで供締めするため、アウトウエルの位置出しやエポキシ接着剤の塗布順序を上手く考えなかったので大変な骨折作業となりました。翌日アウトウエルのクランプを外し、フレームの出っ張りを切り落とし、インネルとアウトウエルの面出しですが、フレームの切断面が硬いのでヤスリで行いましたが、これも硬くて大変時間のかかるものです。ベルトサンダーがあると、効率的だなーと思いました。ラビングストレーク寸法は、図面で12mm幅x12mm厚の断面が第2のオプションとしてあったのですが、ラップ面の幅が19mmと広くネジ穴や銅釘穴を防ぐには、15mm 幅が必要となり15mm幅x12mm厚を使用したので少し大きく見えます。 2本とも大きな丸みを持たせているので、なかなか手触りが良くいい感じです。

フレームの出っ張りをガンネルに合わせて切り落とした艇の内側をみて、ようやくここまで来たなあと言う感じです。この後ライザー、ダガーボードケース、スウォートの取り付け作業が待っています。



15.シートライザー作成工程

スウォートを載せるライザーを作るため、11mm厚x45mm幅x1m長のタモ板目材 3枚を、これも今まで同様に1:8のスカーフジョイントでつなぎ2.8mm長の部材にしました。ライザーの下端面は、トラディショナルな雰囲気を出すため、専用のルータビットを購入しビードをつけました。また、上端面はR12.7mmの丸面をつけ、傾斜したフレームに取り付くと、スウォートの底面と上手く接触できる丸めんとなります。ライザーは11mm厚の板材ですが、結構ばね性が強く艇の内側のガンネルより200mmくらいの所に取り付けるのは、大変骨折りでした。何とか自作カムクランプと当て板で保持することが出来ましたが、ネジ留めまでには、フレーム同士の高さ調整や下穴あけに時間がかかりそうです。


16.ガジョン・ピントル作成工程

以前からラダーの金物(gadgeon and pintle)は、ネーバル黄銅(naval brass)で作りたかったので入手先を探していましたが、ようやく東京下町の金属材料会社(西田金属 http://www.nishida-kinzoku.co.jp/)が切売販売しているのを見つけ注文しました。対応はとても良く注文翌日に届きました。ガジョンとピントルは15mm厚x25mm幅x80mm長に切ったネーバル黄銅のブロック材より、バンドソーで切出します、加工のR部はドリル穴の一部を使いバンドソーで真っ直ぐ切り進みます。その他の大R部はバンドソーとヤスリで削りだします。今回は、応援者(電子機器の製造分野で50年間の生産技術をもつマイスター)に製作をお願いしました。ピントルのストラップ部やガジョンの突起部をバンドソーで大変綺麗かつ精密に切出し加工されています。


17.シートライザー取り付け工程

シートライザーを取り付けるためには、先に取付けたフレーム(プランクキング前)と後に取付けたフレーム(プランクキング後)の間に高低差があると拙いので、低い方に薄板を積層し、バテンを当てながらヤスリで均しました。写真の半田コテは、積層の押さえに使用した木ネジがエポキシで固まったのを、コテの熱で緩めているところです。さもないと木ネジは、エポキシで固まり、無理にドライバーで外すと折れます。


フレームの高低差が無くなり、いよいよシートライザーのネジ留めとなります。クランプでライザーを、慎重にフレーム上の合わせマークに仮留めし、下穴加工したライザーをネジ留めしてゆきます。ネジ留めはフレーム1本に付き1個の#8、1インチのシリコンブロンズネジで留めてゆきます。ネジが完全にライザーを締め付けるとフレームとの隙間はなくなります。(本の通りなりました)これでようやく、次の工程に進むことが出来るようになりました。


昨年入手しておいた20mm厚x140mm幅x4m長のラーチ(唐松)板を2枚接ぎ合わせにして190mm幅のスウォート材を作成しました。このラーチ板は板目で殆ど節もなく、年輪も詰まっていて狂いのないいい材料です。但し、針葉樹ですが広葉樹のタモ材並みの重さがあります。来週、鉋がけしスウォートを取付ける予定です。


最後の写真は、ダガーボードケースの材料です。ケース側板は、プランク材と同様ノーブルファー8mm厚を2枚接いで300mm幅の板を作りました。その他はケースのフレーム材に使用するタモ角材



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Yasushi Nakagawa