9. アウトボーン作成工程

外板張り工程が完了したので、先の工程を急ぎたいので外ステムの取り付けを行いました。外ステムは既に内ステムと同時に作成してあるので1年半ぶりの加工作業となります。先ず外板ステム部の端面角の削りだしをしましたが、ほぼ半日掛かりました。そこに外ステムが適切なコーキングのスペースを持つように角度を写し取り鉋で削ります。外ステムはタモの4mm厚10枚の積層で大変硬く削り辛いですが、鉋と鑿で丁寧にカーブをけずります。一応出来たので、仮留めします(写真では、キールと外ステム接合部で大きく段になっている)今度は、外ステムの先端部と外板の接合部のテーパーを付けるため鉋で削ります。カーブ部部分の鉋削りは、鉋を上手く斜めにして削ると上手くいきます。ようやく、先端部のテーパーも出来たので、コーキングなしで仮留めしたところです(写真3枚目と4枚目)。



最初の写真は外板のステム部端面です。本来ですと、この部分は内ステムと面一に切り揃えするところですが、ご覧のとおり木ねじが端面に近く出来ません。
次の写真は外ステムを外板端面と内ステムの上に載せ3Mのポリウレタンコーキングとブロンズ木ネジで接着固定したところです。
3枚目の写真は、外ステムとキールの接合部分と、その後に出来るキール上のダガーボードの穴をを補強するためのキール部材です。未だ穴は開けていないので仮留めです。
4枚目の写真は同じくダガーボードのキール上穴部の補強部分です。この補強部材はキールと同じくタモ材で作成しましたが、何分ガーボード上にあるので変則的な勾配を付けなくてはならなくて、削りだしは応援のマイスターにお願いしましたが、上手くコンパスでガーボードのカーブをスクライビング手法でトレースし鑢と反り台鉋で角度だししてもらいました。



10. ダガーボード穴開け工程

ダガーボードの穴を、プランジルータを使用してキールとキールソンに貫通させます。ご覧のように少し大きくなりました(テンプレートの作成ミス)前23mm、後ろ20mmで当初より1mmの大きくなっていますが、ダガーボードの厚さで処置しようと思います。

穴開けが完了し、穴の開いたキールの両脇は4mm程度しかないので、25mm幅の桟をご覧とようにエポキシ接着剤と多数のクランプで固定します.


11.ターンオーバー工程

2008年9月21日、念願のターンオーバーにたどり着きました。これで一先ず大きなマイルストーンを通過したことになります。着工開始より暦で1年半弱の時間が過ぎましたが、当初のGL(Glued Lapstrake)工法から現在のリベットを使うクリンカー工法に変更したため、新規にハウツー本を入手して工法の調べ直しやリベット等のファスナー等の再手配で随分回り道をしましたが、何とか形になりほっとしております。この後直ぐに、残りのフルフレーム8本の蒸し曲げによる取り付けが待ち構えています。これからも、まだまだ手がかかります。




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Yasushi Nakagawa