1. 船台冶具+モールド作成工程

写真の材木は、外板に使用するノーブルファー(47mm厚X230mm幅X4m長)4枚と、 その上に載っているのがモールド材になるホワイトウッド(1"x10"x6フィート)、 ビルディングジグ(船台)になる2x4,2x6,2x8材、その他鋸馬用に1x4, 1x6材です。

ビルディング・ジグは、先ず2x8材の梁上端に2x4材をネジ留めし、お互い の反りを矯正します。そして2x4材で出来た脚3個を1.4m間隔で取り付けます。

2組の梁材が出来ると、今度は両端部(同様に2x8材と2x4材で出来た)の上部に 三角形の合板をネジ留めし、自立している梁材に載せ、ねじ留めします。 梁材は脚が先に取り付けられているので自立しており、これら一連の組み立て 作業は一人で出来ました。

今度は、モールドのセンタ部が載る小屋組の取り付けです。この小屋組は2x4材と 2x6材で出来ており、梁材とセンタビームは夫々12mm径のボルト・ナットで取り 付けています。これで、小屋組は非常に強靭になりセンタービーム上に84kgの自分が 載って作業してもセンタビームの歪はありません。

1x10材ホワイトウッドから、7組のモールドを製作します。写真は各モールドの 部材です。1番モールドを除き、各モールドは4枚(上部2枚、底部2枚)の部材から 出来ています。底部と上部の継ぎ目はマイタージョイント出来るようにマイター 角度を原寸図よりはかりました。

モールド材を正確にマイタージョイントするのに、先ず下敷板に夫々を 木ネジで仮留めします。そして出来た反面モールドに外形図を載せ千枚通しで 外形線を点でけがいていきます。その後マイター部に、1x6材で作ったあて板 (マチ)を木工ボンドを塗り貼り付け更に10本の木ネジで隙間が出来ないよう 締め付けます。その後、残りの反面モールドを突き当て、先に出来た反面 モールドともくネジで固定します。これで各モールドが半面で二重に積み 重ねれたことになります。

これで各モールド材はセンターラインを軸にして折り返した 状態になります。そして、写真のようにバンドソーで、モールドの曲線に沿って 切っていきます。このように、重ねて切り抜くことでモールドは左右対称に 切り出すことが出来たわけです。

今度は、左右のモールドをセンターライン上で突合せモールドを仕上げます。 先ず、下敷板(合板)にベースラインになる木の直線定規を固定し、次に 直線定規と直角になるようセンターラインを鉛筆で墨付します。出来たら左右の モールドをセンターラインとベースラインに隙間が出来ないようしっかり 突合せて木ネジで下敷板に固定します。次にセンター頂点部にマチ板を接着剤と 木ネジで取り付けます。

出来上がった7枚のモールドを1番から7番まで並べてみました。

組上げておいたビルディングジグのセンターラインとセンタービームの センターラインの位置出しをしています。

ビルディング・ジグとセンタービームの位置出しが出来たので 早速モールドを載せて見ました。

順序が逆になりましたが、ビルディング・ジグの水平出しをするため、 ご覧の水タンクとホースとを利用した水準器を作成しました。 John Brooks氏の本には1/2インチ径のビニルホースだけで水準器を作成し ていましたが、ホースの肉厚は2mm以上ないと常に一定の直径を維持できなく なり正しいレベル出しが出来ません。そこでご覧のような片方に水タンク、 ホースは木片にホース径の穴を開けたサポータに通しホースの断面変化を 抑えています。本当に骨折りの作業でした。


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Yasushi Nakagawa