18. スウォート作成・取り付け工程

前の週に2枚接ぎ継ぎして置いたラーチ板を鉋で仕上げました。このラーチ材は、初めて扱う材料です。かなり硬くタモ材に劣らない感じがしたので、先ず使用する鉋3丁を半日掛け研ぐことにしました。一つは寸6分の一枚刃木口鉋、後二つは寸六分と寸八分の2枚刃です。丁寧に砥いだ甲斐有り、硬いラーチ板は、各10分くらいで削ることが出来ました。切れ味も良く照りが出ています。
鉋がけした180mm幅x19mm厚のスウォート材を、マスト、センター、スターンの各部分の長さに切出すため、バテンを使い正確に光り(バテンにマークを入れる)、次にハルのカーブとフレームの傾斜角度をプロトラクターで慎重に測りスウォートの両端を切出しました。未だ仮留めですが、ライザーと隙間なく取り付ける事が出来ました。(マストスウォートのCクランプは滑り止めです)


19. ラダー作成工程

ラダーは跳ね上げ方式ですが、Acornの図面と少し違うメカニズムを考えています。この方式は、ラダーハウジングはなくて、ラダーヘットとラダーブレードは同一の厚み(19mm)にして、扇形のピボット板を真鍮板で造ります。そのため、支点の位置や円弧の切込みの位置出しを色々と試行錯誤しています。


跳ね上げ方式のダラーを色々と参考書を基に検討した結果、上の写真のような形に落ち着きました。ラダーブレードは細長い台形の真鍮板でラダーヘッドとつなぎ、台形金物の頂点が回転の支点になります。写真の右にある小判状の金物はティラーとラダーヘッドをつなぐ真鍮板です。その下の小さな金物は、ラダーブレードに仕込むバンジーロープの押さえ金具です。

これらの金物すべては、ガジョン・ピントルを製作して頂いたマイスターに、またお願いしましたので、正確にかつ綺麗に出来ました。感謝しております。



20.ダガーケース作成工程

ようやくダガーケースの製作にこぎつけました。上の写真はダガーケースのポストです。左がスターン側で右がバウ側です。図面を読み間違えたためポスト幅は前後で3mm違いますが、その分各ポストも勾配を付け鉋掛けしてあります。また、このポストはキールソンとキールの積層分で都合45mm厚を貫通してあります。ダガーケース底面の部材(ベッドログ)は中間フレームをまたぐ為ご覧のようにノッチをつけています。

二枚目の写真は、ハルのプランキングに使用した8mm厚のノーブルファー材をダガーケースのパネル材として使用しているものです。中間フレームをパネル厚み分だけ切りとることで、パネル底面はノッチなしにストレートにしています。

三枚目の写真は、パネルの足元にベッドログを仮に置いたところです。ダガーポストの前後の厚みを変えたため、その分このベッドログもの勾配をつけています。

4枚目の写真は、ダガーケースとセンタースウオートを背面からみたものです。スウオートは前後の下面エッジに40:7の勾配削りを付けいいます。また、ダガーケース底面のベッドログの上面エッジはR12.7mm の丸面をつけています。

来週、これらのダガーケース組み上げを完成させます。


先週に続きダガーケースの組み立て作業を行いましたが、なかなか捗りません。ケースの細かいトリミングはいちいち艇の中に入り位置あわせや寸法取りに手間がかかります。結局ダガーケースの組み立てはしたものの、内面のエポキシ塗布やコーキングまでは出来ずまた来週に持越しです。

2枚目の写真は、ダガーボード前面に台形の補強板(20mm厚x80mm上辺x150mm底辺x240mm高)を取り付けたところです。ケースの上部桟(20mm厚x30mm幅)から切出したホゾをこの補強板に差し込んでいます。今はまだ仮留めに付き面取りもしていません。

3枚目の写真は、センタースウオートの中央下部に補強ポストを取り付けました。ダガーケースの上部桟をセンタースウオートの真下に延長し、その間にこの補強ポストを取り付けます。ポストの上下には6mmのホゾを切り、キールソンとスウオートに差し込んでいます。下側はご覧の通り、ネジを斜めに取り付けています。ここの加工は、スウオートの勾配や取り付け位置出しに苦労しました。

4枚目の写真は、マストスウオートを取り付けたところです。マスト穴(60mm径)もようやく切出しました。スウオートの取り付けは、結構迷いました。シートライザーは 11mm厚で斜めにフレームに取り付いており、ここにスウオートを取り付けるためには、正確なネジ穴位置出しが必要で、いろいろと図解したりて考えましたが、結局ライザーの延長線をスウオートに写しそこから、現物上で穴位置を墨付けしてOKとなりました。このあたりは、現物を良く見て考える方が良いことが分かりました。


21.スターンシート作成・取り付け工程

木工作業の最後の工程とであるスターンシートを作りました。当初ここの部分は一枚板で準備しましたが、やはり板張りのスターンシートの方が見栄えが良いのでこれにしました。先ずスターンシートの 7枚の板を支える梁をヴィクトリア調のデザインで下面を加工します。次にシートライザーにこの梁をネジ留めしますが、ライザー間にはめ込むための角度切りは大変慎重にやらないと上手く出来ないので時間が掛かりました。
トランサムには、板を支えるための桟(19mm厚x32mm幅x415mm長)を取り付け、板と接する桟上面は梁と同一平面になるよう鉋掛けしテーパーを付けます。
今日も板の切出しで時間切れとなり、板の仮置きだけで組み上げ完了は次回に持ち越しとなりました。

ようやく、スターンシートの木口を揃える事が出来たので、仕上げ鉋掛けとエッジを半径3mmのルーターで丸面加工をしました。これで、スターンシートの見栄えと手触り感も大変良くなり木工作業はこれにて完了です。

あとは、ダガーボードケースの仕上げとセンター及びマストスウオートに取り付けるニーの製作があります。


ダガーボードケースの仕上げがなかなか終わりません。作ったダガーボードキャップは、フランジ部分の幅が狭く、ダガーボードを抑えるバンジーコードを通すことが出来ないのでまた作り直しします。今回、センタースウオートと同一部材である唐松を使いましたが、ダガーケースのフレームのタモ材と今一つマッチしていない感じもあるのでタモで作り直しです。

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Yasushi Nakagawa